第88回 糖質制限の本当の問題点
前回は糖質制限法が浸透しない理由について書きましたが
私は条件付きであれば糖質制限法はお勧めだと思っています。
その条件とは
「おかずの質を高くして、小食を目指す」事です。
これは最初はハードルが高く難しいかもしれないですね。
でも、糖質制限法で体調を悪くするとしたら、その理由は
質の悪い油に偏りがちになること、塩分が多くなること
慣れない食生活で満足感が得られず食べ過ぎになること
この三点によるものが大きいのではないかと思うのです。
糖質制限法を勧める時に引き合いに出されるのが
イヌイット民族のアザラシや魚を食す生活です。
糖質は一切摂らず、肉だけ食べる食生活でも
血液検査では、問題なく優良だったと言うことです。
でも、イヌイットの方たちは、オメガ3が豊富な魚を
新鮮な状態で内臓も含めまるごと、熱も塩も加えず食べていたわけです。
現代の私達のように、油で揚げたり、濃い味付けをして
いた訳ではありません。三食欠かさず、食べていたとも
考えにくいでしょう。
そのような食べ方をしていれば、血液サラサラでいられるのは当然ではないですか。
糖質制限の本当の問題点
糖質制限法に対する不安の中で一番大きいのは
動物性蛋白質や脂質の割合が多くなることへの
長期的な身体への影響ではないかと思いますが、
私は、本当の問題はそれ以外のところにあると思っています。
糖質制限では肉も魚も卵も好きなだけ食べていいとされていますが
実際は、調理法が簡単なことから、どうしても肉や卵に偏ります。
市販の肉は生では食べる事が難しいため油で調理をします。
そこで油の質の問題が発生します。
毎回、普通のサラダ油を使用しているとオメガ6が過剰になります。
だから使うとしたらオリーブ油がいいのですが、それでも
高温で調理するとAGE(終末糖化産物)が多く発生します。
豚肉はアラキドン酸という慢性炎症を促進する物質が多く食べ過ぎは禁物です。
ベーコンやハムなどの加工品は発色剤など有害な添加物が沢山含まれています。
つまり、飽和脂肪酸を多く摂る事よりも、
調理する時の油や調理法、魚より肉に偏ること、塩分が多くなる
影響の方が大きいのではないかと思うのです。
その影響を出来るだけ少なくすれば、糖質制限を細く長く続ける
利益は大きいと私は思っています。
安全な糖質制限法のポイント
最後に私の考える安全な糖質制限法のポイントを挙げておきます。
・肉だけに偏らず、魚や大豆製品も多く摂る
・高温調理を避ける。
・加熱調理にはオリーブ油を使う。
・加工品は避ける。
・無理に三食食べない。
・薄味にする。
・野菜やキノコわかめ類も一食二皿以上摂る。
ちょっと難しいですかね。全てを完璧にするのも大変だと思うので
出来るところから、徐々に馴らしていきましょう。例えば
自宅の油をオリーブ油に変える。
揚げ物を控える。
ハムやウインナーなどの加工品は食べない。
マーガリン、ショートニングなどのトランス脂肪酸は避ける。
これぐらいなら神経質にならずに、出来るかな?と思うのですが
いかがでしょうか。「でも糖質ゼロにするのは、厳しいな」
そんな人の為に、次回は緩い糖質制限についてお伝えしようと思います。
今日はこの辺で・・!
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