第87回 糖質制限が浸透しない理由(1)
昨今の糖質制限法に対する批判は、根拠が薄いものも多く
本当のところはどうなのか、気になっていました。それを調べつつ、
糖質制限法が浸透しない理由について、私の考えを書きたいと思います。
必須炭水化物は存在しない。
現代の栄養学では、
炭水化物(食物繊維+糖質)、
蛋白質、
脂質を
三大栄養素としています。
厚生労働省や農林水産省が提示している食事バランスガイドでも
炭水化物を全体の5~6割摂る事を推奨しています。
しかし、蛋白質や脂質の中には「必須アミノ酸」や「必須脂肪酸」など、
体内で合成されない栄養素があり、食事で摂らなければいけないのですが
必須炭水化物というものは存在しません。現時点では
糖質は摂らなくても、健康被害はないと言われています。
ブドウ糖を絶対に必要とするのは赤血球など一部の細胞だけです。
だから血液中の糖は一定に保たれるようになっていて、不足した時は
肝臓で糖が作られるなどバックアップ体制が整っています。
ブドウ糖は即効のエネルギー源ですが、人間の身体は基本的に
脂肪酸を燃やしてエネルギーを得る仕組みになっています。
それじゃないと断食など出来ませんし
不測の事態で飢餓状態になったら、すぐに息絶えてしまいますよね?
糖質制限法が浸透しないのは?
インスリンは脂質を蓄えるホルモンなので、糖質を控え
インスリンの分泌を抑えれば効果的なダイエットは出来ます。
まして、血糖値を上げない糖質制限法は糖尿病や境界型の人にとっては
朗報のはずです。それなのに広まらないのは、何故なんでしょう?
飽和脂肪酸を多く摂ることによる動脈硬化の心配など色々と挙げられていますが
私の個人的な意見として、本当の理由は、
ご飯と味噌汁と少しのおかず、という昔ながらの食事が浸透している我々日本人にとって
糖質制限食は、感覚的に受け入れられない、ということなのではないか、と思うのです。
健康な食事とは、こうあるべきとか、脂質に偏る食事に対する漠然とした不安など、
そういった「何となくの感情」が大きく左右しているような気がするのです。
もちろん、それ以外でも受け入れ難い理由はあると思ってまして、実際に糖質制限を
やっいた感想も含め、もう少し掘り下げて、上手く糖質と付き合っていく方法を
考えていきたいと思っています。
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