第229回 悪い習慣・依存をなくす、たった一つの大原則

第229回 悪い習慣・依存をなくす、たった一つの大原則
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依存症をなくすためには、どうすればいいのでしょうか。前回の記事では、生活習慣で出来る対策を紹介しました。

今回は自分の考え方を変えて依存症を無くす方法について紹介します。この方法はいままで「頑張って」何かをやめようとしていた人に一番効果があると思います。ぜひ試してみてください。

お酒・タバコ・甘い物は依存症になりやすい

お酒、タバコ、甘い物。これら嗜好品は依存性があるので習慣化されてしまうとやめるのが難しくなってしまいます。

依存症とは「悪い習慣が心身や人生にダメージを与えているにも関わらずやめたくてもやめられない状態」を指します。

依存症の発症には脳内の報酬系が関与していると言われています。(厚生労働省 依存症対策より引用)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html

依存症の発症には脳内のドーパミンが関与しています。
アルコール、薬物、タバコなどの物質やギャンブルなどの行動によって
快楽が得られ繰り返される内に脳がその刺激に慣れてしまい
より強い刺激を求めコントロールできなくなってしまう病気です。

報酬系が関与しているのはなかなか手強そうですね。依存性物質の中でもタバコは強い依存を引き起こします。日本禁煙学会によると

http://www.jstc.or.jp/modules/information/index.php?content_id=162
(日本禁煙学会「タバコは薬物である」より)

たとえば、2007年に医学雑誌ランセットに発表された論文では、合法および非合法ドラ ッグ20種の依存性スコアを算定した結果、タバコ(ニコチン)はヘロイン、コカインに次 いで、3 番目に依存性の強い薬物であることが分かった。ちなみに、アルコールは 6 位、 覚醒剤(アンフェタミン)は 8 位だった。タバコはヘロイン・コカインに次ぐ高度の依存 性を持っている。タバコの依存性はアルコール・覚醒剤よりも強力である。

タバコはコカインの次に依存性があるのですね。それなのに何故日本ではタバコは違法ドラックにならないのでしょう。不思議ですね。

では甘い物(糖質)やアルコールはどうでしょうか。

まず、糖質です。糖質依存については、正式な定義としては確立されていませんが、精製糖質(砂糖など)単体と糖質+脂肪の食べ物は脳内の報酬系を刺激するので、やはり依存を起こしやすいと言われています。

次にアルコールですが、先に引用したとおりアルコールは覚醒剤のアンフェタミンよりも依存性があることが分かっています。

でも、糖質は三大栄養素の一つとして扱われています。アルコールも百薬の長と言われているとおり適度であれば利益もあるとされています。(最近はアルコールの「百薬の長」説は否定されつつあります)

だから糖質とアルコールは、タバコのように「百害あって一利なし」とはならないのです。このように「やめるべきもの」としては扱われないことが、依存症を悪化させる原因になっているのです。

依存症とそうでない場合の線引きは難しい

タバコは確実に依存症と分かりますが、アルコールや糖質は何処からが依存症なのか線引きが難しいという側面もあります。

特にアルコールに関しては「毎日晩酌をするが仕事に影響はないのでアルコール依存症ではない」と自分では思っていても、いつの間にか依存症になっている場合も多いのです。

厚生労働省 eヘルスネット アルコールと依存によると
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-001.html

どこからがアルコール依存症で、どこまでが普通の酒飲みかという線引きは、はっきり出来るものではありません。しかしアルコールが依存性のある薬物の一種である以上、飲酒をしている人は誰でも依存症の回路がゆっくりと脳の中で作られていきます。つまり飲酒をしていれば、誰もが依存症になる可能性があるということです。アルコール依存症はゆっくりと進行していくため、依存が作られている途中では自分では気付きませんが、しまいには飲酒によって問題があるにもかかわらず、飲酒をコントロールできなくなります。そのコントロールできない状態がアルコール依存症なのです。

となっています。精製糖質(脂肪との組み合わせも含む)も依存性がある食べ物なので、アルコールと同じだと考えていた方が良さそうですね。

だから、お菓子やアルコールなど依存性のある物と上手に付き合って行くときは

「自分だけは大丈夫」と思わずルールを決めること

が、大切だと思います。毎日晩酌をする、寝る前にお菓子を食べるのが習慣になっていると言う方は一度習慣を見直してみた方がいいかもしれません。なお、タバコはコカインに次ぐ依存性のある薬物なので、タバコを吸っている人はルールを決めて吸い続けても身体を悪くする一方です。減煙でななく禁煙一択です。

やめようとするとやめられなくなるのは?

でもなぜか「やめたい」と思うほどやめられなくなります。それって何故だと思います?

それは「やめよう。駄目だ」と思えば思うほど自分の中で好きな物(アルコールやタバコやお菓子)
の存在がどんどん大きくなってしまうからです。

「白熊の事を考えるな」と言われるとかえって頭に白熊が浮かんでしまう話を聞いたことありますよね?

ダイエットで食事制限している人はいつも渇望感に襲われています。何かを制限する事がかえって依存から抜けるのを難しくしているのです。

悪習慣・依存をなくすたった一つの大原則とは

ではどうやったら、本当にやめる事が出来るのでしょうか。人が本当に何かをやめようと思う時は

  1. 心身の病気になってやめざる終えなくなった時
  2. 社会的な失敗などでやめざる終えなくなった時
  3. やめる利益の方がやめない利益より何倍も大きいと感じた時。
  4. 自分の中の何かが吹っ切れて、もういいやと思えた時。
  5. それがなくても普通に生活していける、と自信がついた時。

大体この5パターンに分ける事が出来ます。

1や2のパターンは出来れば避けたいですよね。一度失ってしまったものは取り返すのが大変です。そうなる前に何とかしてやめた方がいいです。

したがって、3.4.5のような状態になるのが理想です。

その中でも私が一番現実に即していると思うのが5の「それがなくても普通に生活していけると自信が付いたとき」です。

よくタバコやお酒や甘い物をやめる事のメリットを説く人がいます。実際にやめてみたらこんなにいいことがあったと体験談も載っています。

それは本当に素晴らしい事です。やめた後の利益が強化されていけば今後依存に逆戻りしてしまう事は少なくなるからです。

でも、そういった体験談を読んで「やめたら何かバラ色の人生が待っているのでは?」といった期待は
しない方がいいです。

体験談はあくまでも他人の経験。必ずしも自分に当てはまるとは限りません。期待が大きいと成果が得られない事にがっかりして元に戻ってしまう可能性があります。

タバコをやめた、お酒をやめた、甘い物をやめたその後に、必ずしもバラ色の人生は待っていません。何処にでもある日常生活が延々と続くだけです。

でも、ですよ。「○○がないとストレス発散が出来ない。私、生きていけない!」

・・・とまで思っていたのに
「あれ?●●がなくても私普通に生活しているじゃん」と気づいた時
自分の中で少しづつ自信がついていくのです。

ほんのわずかの自信がやめるきっかけを作ってくれるのです。

ポイントは「できなかった」事を重要視しないことです。

「私、なくても大丈夫だったじゃん」という気づきのスタンプだけ心の中でためていきます。

出来れば●●が無くても平気だったのはどんな時だったか、記録しておきましょう。便通や睡眠はどうだったか、食事の内容はどうだったか運動をしたか、友達と会っていたか、ストレスはなかったか些細なことでいいので書き留めておきます。

たとえば、「お酒を飲まずに食事をしたときはタバコを吸いたいとは思わなかった」とか、「しっかりご飯を食べた後や熟睡出来た日は甘い物は食べなかった」など、〇〇がなくても平気だったときが必ずあるはずです。

このような自分だけの「なくても大丈夫だった方法」を見つけましょう。ちなみに私の場合は食後物足りない時、デザートに酸味のある食べ物を選ぶと満腹中枢が刺激されているのか?食欲が止まります。

チーズケーキよりブルーベリー入りのプレーンヨーグルトバナナより柑橘系の果物(少しだけ)
シークワーサーを混ぜた炭酸水興味のある方は試してみてください!

 

まとめ:悪い習慣・依存をなくす、たった一つの大原則は

「なくても大丈夫」だった体験を積み重ねること。