第196回 こんな糖質制限してない?リノール酸のとり過ぎに注意!
糖質制限では炭水化物を減らす代わりにたんぱく質や脂質の量が多くなります。脂質は1ℊで9KCalもあるため少しの量でお腹がいっぱいになるメリットがありますが、リノール酸を過剰に摂り過ぎてしまうデメリットもあります。
今回は糖質制限をする上で欠かせない「油」について取り上げてみました。
リノール酸ってどんな油なの?
「リノール酸」は植物性の油です。スーパーで良く売られているサラダ油・・「菜種油」や「紅花油」、グレープシードオイル・コーン油・綿実油・大豆油・ごま油はリノール酸です。
私達が普段食事から摂る油には大きく分けて2種類あります。「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」です。飽和脂肪酸は主に牛肉や豚肉、バターなど動物性の油で常温で固まりやすい性質があります。ココナッツ油にも飽和脂肪酸が多く含まれています。
不飽和脂肪酸は植物などに多く含まれる脂肪酸です。不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸(オリーブ油)と多価不飽和脂肪酸に分かれます。更に多価不飽和脂肪酸にはオメガ6系油とオメガ3系油に分けられます。リノール酸はオメガ6系の油に分類されます。
ちなみに魚の油やエゴマ油、亜麻仁油などはオメガ3系の油に分類されます。オメガ6系とオメガ3系の油は共に食事として摂らなければいけない「必須脂肪酸」です。
リノール酸のとり過ぎは病気の原因になる
炎症反応と聞くと悪い働きのように思えますが、炎症反応は体に取って必要なものです。怪我をすると傷の周りが赤く腫れますがあれも炎症反応です。ばい菌が体内に侵入したときに炎症を起こしてばい菌を一か所に凝縮させて体に広がるのを抑えてくれるのです。
リノール酸はアラキドン酸と呼ばれる脂肪酸の原料になります。適量であれば人間を助ける働きをしてくれるのですが、過剰に摂取をすると「アラキドン酸カスケード」と呼ばれる炎症反応を促進させます。
炎症反応が進んでしまうとアレルギーや癌、心筋梗塞などの心臓疾患など様々な病気の原因になるのです。
一方で、魚の油や亜麻仁油などに代表される「オメガ3系の油」は、炎症反応を抑える働きをします。オメガ6系の油とオメガ3系の油はバランスが大切。適度なバランスによって体内の均衡を保っているのです。
しかし現代人の食事はオメガ3よりもオメガ6系の油、つまりリノール酸の摂取量が圧倒的に多くなっています。
リノール酸は植物油以外にも多く含まれる
リノール酸は、植物油に多いのですが、実はお肉、卵にも含まれています。大豆製品、ナッツなどの食材にも多く含まれています。
目に見えないリノール酸にも注意が必要
こんな糖質制限食は要注意
こんな糖質制限をしている人は要注意!
◇魚が少なく、肉や卵だけ食べる糖質制限。 ◇揚げ物、炒め物が多い糖質制限。 ◇油を使った加工品が多い糖質制限。 ◇おやつにチーズやナッツを沢山食べる。 |
リノール酸を減らすには?
では、リノール酸を減らすにはどうすればいいのでしょうか。
○ 茹でる、蒸す、又は少量の油で調理する。 ○ 市販のドレッシングはやめ、亜麻仁油やエゴマ油、オリーブ油を使う。 ○ 揚げ物、炒め物の総菜は買わない。 ○ 加工品は原材料に植物油が入っていない物を。 ○ 外食で衣のついた揚げ物は食べない。 |
肉に偏らず魚を食べる糖質制限を
出来れば1日1食は魚料理。水煮の缶詰や刺身でもOKです。だたし、魚でも、シーチキンの油漬け等はリノール酸の含有量が跳ね上がりますので控えた方がいいです。
魚を選ぶ注意点
2、 関西から西や、日本海側で取れた小型~中型の魚を選ぶ
3、 底魚、淡水魚は産地に注意する(放射能物質が多い)
リノール酸を控えた糖質制限をしよう!
普段の生活の中で魚を意識して食べるのは、なかなか難しいかもしれません。しかしオメガ3系の油は意識しないとリノール酸過剰になってしまいます。料理が嫌いな人は鯖缶や仕事帰りにお刺身を買って帰るなど簡単にできることから始めてみるといいのでは?
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