コロナ時代を乗り切る-心が安定する食べ方と栄養素

コロナ時代を乗り切る-心が安定する食べ方と栄養素
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コロナは再流行の兆しが出ていますね。昨年から慢性的に続く不透明な状況の中、身体や心が不安定になった方もいるのでは?何を隠そう私もその一人です。

そのおかげで「分子整合栄養医学をもう一度学びなおそう」と思い、宮澤先生のweb講座を受講しています。昨年から今年にかけて、体調面でも精神面でもかなりきつかったので、私にしては珍しく真面目に取り組んでいます。

また、一番お世話になっているEAT治療の耳鼻科の先生を初めとして、30年来のお付き合いのある友達、心理学の本を多数出版されている根本先生の本ブログにも助けられました。その甲斐あって、ちょっとづつ回復し始めています。

今回は私の体験から得た心が安定する食べ方や生活の仕方、気持ちの持ち方などについて書いてみようと思います。今日は食べ方と栄養素編です。

身体の不調は栄養の滞りから

私が糖質制限を始めたのは、10年以上前の事でした。その後、分子整合栄養医学を知り勉強を始めたものの、自身の健康状態は改善が見られないのが悩みの種でした。しかし、最近になり、今までやっていた食事法は私には合っていなかった、と分かりました。

中年以降の人は、単なる栄養不足で体調が悪くなっているのではなく、化学物質や重金属などの蓄積、加齢による胃腸機能の低下、慢性の炎症などで栄養の代謝が滞っているために体調を悪くする人が多いのではないかと思います。

したがって、(人によりますが)中年以降は栄養のあるもの(主に蛋白質食材)をたくさん食べる事よりも、代謝が滞っている原因を取り除く方を優先した方がいいと思います。(栄養不足の数値や貧血がある人は、たんぱく質摂取は大事です)

余談ですが、私は子供の頃からアマルガム(主成分が水銀になっている歯の詰め物)が、9本も入っていたにもかかわらず、数年前にやった毛髪ミネラル検査では、水銀の排泄は少なかったでした。排泄が少ないということは脳や内臓に蓄積していることになります。(ちなみに、アマルガムは数年前に専門の歯科で除去しています)

水銀蓄積による体への影響に関しては非科学的との批判があったり、同じ分子整合栄養医学分野でも賛否両論あったりするのは承知しています。

しかし、本来なら小腸から吸収された栄養が様々な物質に変化(代謝)していく中で内臓や脳に取り込まれ機能を発揮するはず・・なのに、それがスムースに行かないのは理由があると思います。

代表的なのは、遺伝子異常(体質)ですが、それ以外にも慢性の炎症、重金属の蓄積が代謝を妨げているのは容易に想像ができます。

胃腸や肝臓が疲れていると心も不安定になる

侮れないのが胃腸や肝臓とメンタルの関係です。心が不安定になる根本原因には小腸の炎症やそれに伴う肝機能、甲状腺機能の低下、副腎疲労などがあります。

最近私がよく読んでいる精神科医のブログ(場末P科病院の精神科医のブログ)にも詳しく書かれていますが、血液脳関門の破綻により体内から飛び火した脳の炎症が、様々なメンタル疾患(うつ病や双極性障害など)と密接に関わっていることが分かっているそうです。

私が最近受けた栄養療法の血液検査では、肝機能が悪く多血で、鉄や銅も過剰でした。昔からお腹の調子が悪くリーキーガット症候群(小腸の慢性炎症)を起こしていたのにも関わらず、無理な食べ方をしたために肝機能が悪くなったんでしょう。

それにしても数値が悪すぎてショックでしたが、「これじゃあ、眠れないし心が安定しないのは当たり前だ」と思ったし、これを機に真面目に食事に取り組むきっかけにもなりました。

心が安定する食べ方5つ

前置きが長くなりましたが、今日の本題「心が安定する食べ方」を5つに分けて紹介します。まずは、何が原因で体調が悪くなっているのか知ることが大前提です。本当は低血糖を調べる検査、詳細な血液検査、重金属の検査をした方がいいのですが、今回は、やってみて損はない効果ある食べ方を説明します。

直接糖を避けベジファーストで食べる

低血糖を改善するには、砂糖菓子や砂糖入りの飲み物などの「直接糖」を避け、野菜から食べる方法が一番おすすめです。

低血糖という言葉はよく耳にすると思います。糖尿病のインスリン治療の副作用で見られる危険な低血糖とは少し違っています。糖尿病ではない方が起こす低血糖とは、肝臓による糖新生が十分に行われず、主に空腹時間の長い夜間に起こる現象です。(もちろん日中でも起こります)

いろいろなタイプの低血糖があるようですが、糖尿病に移行しやすい低血糖が多いようです。すなわち、糖質を食べる→血糖値が急上昇しグルコーススパイクを起こす→インスリンが遅れて分泌される→急激に血糖が下がる・・タイプです。

急激に血糖が下がるので、危険を感じた体が血糖を上げるために交感神経ホルモンを分泌して緊張状態になったり、夜間の食いしばりのため寝た気がしなかったりするのです。こんなことを繰り返していれば、自律神経失調症になるのは当然ですよね。

私は持続的に血糖を測定できるフリースタイルリブレを数年前に購入して、何度かやっていました。今回改めて装着したところ結構な低血糖になっていたことが分かりました。

低血糖症を改善するには、糖質制限が一番いいです。糖質をできるだけ少なくすれば、血糖値の上昇は抑えられるので血糖値が安定します。しかし、消化吸収力が弱い私のような人がいきなり糖質制限を始めると、いい事がありません。

また、脂分の多い食事でインスリン抵抗性(インスリンが効きづらくなる)が増すという見方もあります。

胃腸の丈夫な人と、お酒が飲める人(肝機能が強い人)は糖質制限はお勧めですが、それ以外の人は野菜やたんぱく質のおかずを食べ15分後にご飯を食べて血糖値の爆上がりを防ぐ方法がいいと思います。

糖質を食べた後インスリンが出る前に体を動かして血糖値を下げるのもいいようですが、肝機能の悪い人、消化力の弱い人には不向きかも・・

便秘を避け胃腸に良い食べ方をする

脳腸相関という言葉がある通り、腸と脳は密接にかかわっています。腸内環境が良いときはメンタルも安定する事が多いです。腸内環境をよくするには、便秘を避けお腹(胃腸)に良い食べ物・食べ方をすることが一番大切!

胃腸に良い食べ物とは・・漠然としていますが個々で違いがあるので「これが絶対!」という食品はありません。食べた後のガスの異常発生、膨満感などを感じる食品=胃腸に悪い食べ物です。私の場合の胃腸に悪い食べ物は、にんにく、玉ねぎ、その他不溶性食物繊維の多いもの、大量のお肉です。

そして、一番悪いのは「一度に沢山食べること。」私は食べ放題の焼き肉屋に行って、ニンニクの効いたタレをたくさんつけて食べると、まずその日は眠れなくなります。

消化力が弱い人は少量頻回摂取がいいようです。可能なら消化酵素サプリメントなどを取る、酢の物や大根おろしなど消化を促す物を最初に食べることもお勧めです。

グルテン・カゼイン・カフェインフリー

小腸の微細な炎症を抑えるために、グルテンフリーは、必須です。分かっていたのですが、これが一番気が進みませんでした。しかし、今回ばかりはきちんとやってみることにしました。とはいえ、主食をご飯にしただけですが。

小麦製品により深刻な症状を引き起こすセリアック病や小麦アレルギーの人は、醤油に含まれる小麦まで気を使わないとダメですが、私はそこまではやっていません。ご飯は血糖値がかなり上がるのでグラム数を測って食べています。

カゼインフリーも加工食品に含まれる成分までは気にしてはいません。ヨーグルトはたまに食べますが、基本的に乳製品は避けています。

カフェインフリーは、コーヒー・紅茶・緑茶をやめています。ほうじ茶はカフェインが少し入っていますが、午前中に限って飲んでいます。午後からは黒豆茶に・・

私はカフェで一人茶するのが大好きなので、グルテン・カフェイン・カゼインフリーは人生の楽しみが奪われる~と感じるぐらい辛かったです。しかし、最近は、デカフェメニューがある喫茶店が増えたので慣れました。もちろんパンやホットケーキは食べませんよ!(笑)その内「美味しいデカフェがあるお店」を紹介します!

良質の油・良質の肉・無添加食品を取るようにする

身体によい作用がある良質の油、抗生物質や成長ホルモン等が不使用の肉、できるだけ添加物が入っていない食品を取るようにします。体内の慢性炎症を鎮め、肝臓に負担をかけないためです。

人の身体に本来ある成分であれば、代謝や排泄がスムーズに行われます。しかし、それ以外の化学物質に関しては、薬と同じく肝臓に多少なりとも負担をかけます。無添加食品や良質のお肉は高いのが難点ですが、【生活クラブ】 などの宅配を利用すれば、比較的良いものが安価で手に入ります。

油には大きく分けて不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸はザックリ言えばお肉に含まれる油で酸化しづらく安定しているのが特徴です。不飽和脂肪酸は植物性のオメガ6系(リノール酸)と亜麻仁油、エゴマ油、魚油などに含まれるオメガ3系があります。

オメガ3系の脂質やオリーブ油に含まれるオレイン酸は腸にもよく抗炎症作用もある脂質です。外食や総菜が多い人は、オメガ6系の油をとりすぎているので(亜麻仁油、エゴマ油、オリーブ油など高い油は外食産業ではほぼ使われないため)、自宅で食べる時だけでも魚(サンマなど水銀が少ない魚)やエゴマ油、オリーブ油にした方がいいと思います。

低血糖にならない程度の空腹

消化器官に負担をかけないよう意識して空腹の時間を持つのも大事です。ただし、低血糖が酷い、スパイクを起こしやすい人は、空腹時間が長すぎると悪影響を及ぼす可能性があります。セカンドミール効果といって、朝食を食べた方がその後の血糖値が安定するとも言われます。

いちどフリースタイルリブレを購入して、自分はどんな食べ方をすれば低血糖にならないか、試してみるといいと思います。

心が安定する栄養素6つ

続いては、心が安定する代表的な栄養素を6つ紹介します。最後の二つは人によって向き不向きがあるので、注意してください。

マグネシウム

マグネシウムは大豆製品や海藻、魚に含まれるミネラルです。身体の代謝のほとんどに関わっているので超重要なんですが、足りていない人は多いようです。マグネシウムは筋肉を緩める作用もあるので、心が安定する栄養素として積極的に摂りたいですね。

亜鉛

亜鉛は細胞の分化に関わっている大切なミネラルです。精巣や小腸は細胞の入れ替わりが早く亜鉛が多く消費されます。先ほど小腸の炎症があると肝機能が悪くなる、と書きましたが、細胞の入れ替わりの激しい小腸にも亜鉛は必須です。

また、亜鉛は水銀と同位元素であるため、水銀デトックスをする際にも重要です。女性のメンタル不調では銅が過剰に蓄積していることが多く、亜鉛を多めに取ると解消する場合があるそうです。加齢で吸収しづらくなるので、意識して取りたいミネラルです。

ビタミンA

ビタミンAは目や粘膜のビタミンとも言われ、のどの粘膜や胃腸の粘膜の健康にも重要な役割をしています。人参やカボチャなどの暖色系の野菜にはカロテンとして含まれていますが、動物性の食品に含まれるビタミンAの方が利用効率が良いのでお勧めです。

ビタミンAといえばうなぎやレバーが思い浮かびますが、卵黄でも摂取できるので卵を積極的に食べるといいと思います。

グルタミン

小腸が栄養とするのは「グルタミン」で大腸は「短鎖脂肪酸」と言われています。グルタミンはアミノ酸の一つなので、蛋白質食品を食べればよく、短鎖脂肪酸は水溶性食物繊維(ごぼうや果物など)を取るといいと思います。腸が弱くて炎症を起こしていると思われる人はサプリメントとして摂取するのもお勧めです。

ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンは、ビタミンB群の一つです。セロトニンやGABAなど心を安定させる神経伝達物質の代謝にも必要で、他にはエネルギー産生やアルコールの代謝産物の分解にも関わっています。

不安が強いタイプ、神経症状のある方は、ナイアシンが著効することがあります。特に高メチレーションタイプでは、ナイアシンを多めに取るといいようです。(ただし肝機能の悪化に注意が必要。自己判断は禁物)高メチレーション傾向の私にはナイアシンは非常によく効きました。

高メチレーション低メチレーションについての説明はこちらを参考にしてください。

葉酸・ビタミンB12・ビタミンB6

葉酸とビタミンB12、ビタミンB6も心の安定には欠かせません。ただし一部のタイプの方は葉酸で精神が悪化する場合があるので、自己判断で沢山葉酸を取るのはやめた方がよいようです。ビタミンB6はタンパク質代謝に欠かせないビタミンでこれが不足すると、せっかく食べたアミノ酸が効率よく利用されません。

腸に良い食べ方と栄養素で心を安定させよう!

グルテンフリーを始め、腸に良い食べ方を意識するようになってからまだ2か月弱しか経過していませんが、以前より良くなっています。中年以降はプラスよりマイナスの食事を心がけるといいのかもと思う今日この頃です。できるだけ質の良い物を少し食べて満足できるようになりたいな~と思っています。次回は生活の仕方(解毒の方法など)や心の持ち方について書く予定です。