第54回 筋トレをせずに代謝を上げるには(5)食事誘導性熱代謝(DIT)
第53回 筋トレをせずに代謝を上げるには(5)食事誘導性熱代謝(DIT)
今日はエネルギー代謝の三つ目、食事誘導性熱代謝(DIT)についてです。
食事誘導性熱代謝については 第46回 痩せる食べ方。一日5食の勧め も参考にしてくださいね。
食事誘導性熱代謝(DIT)とは、食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。
食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。
この代謝の増加を食事誘発性熱産生または特異動的作用といいます。
どれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。
たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、
糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、
通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。
食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝だけでなく食事誘発性熱産生も低下します。
逆に筋肉を増やすと食事誘発性熱産生は高くなるとされています。
また、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれています。
(参考文献:厚生労働省eヘルスネット 情報提供)
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このことから、一日の摂取カロリーが同じならば、一日三食よりも
五食の方が痩せやすい・・・!という話になるのです。
ただし、頻回少量摂取には注意点があります。
1、空腹を感じづらくなる。
・「空腹を感じ、食べたい物を美味しくいただく感覚」が味わいづらくなる、
・空腹時に働く長寿遺伝子(注1)が働きづらくなる。
つまり空腹感が作り出す恩恵が受けられなくなる事です。
(注1)レオナルド・ガレンテが発見した遺伝子。
この遺伝子が酵母の寿命の調節因子であることを初めて明らかにした。
2、どうしても摂取量が多くなってしまう。
一日の総摂取量1600~2000キロcalの食事(個人差あり)を
5回に分けるつもりで食べないと、ただのダラダラ食いになり
必要以上に多く食べている可能性もある。
一回の食事のカロリー計算だけでも面倒なのに、更に細かくするのは現実的に難しい。
そこで、私が考えた打開策は
ダイエットの為の五食という決まり事は捨て自分の感覚を重視する
その上で
・小腹が空いた時に間食する。(これなら空腹感も味わえます)
・間食は蛋白質の食品にする。(糖質だと消費しなければ余剰カロリーと
して脂肪に蓄えられるだけだが蛋白質は細胞の元になる、DITが高い)
と言う事です。それ以外には良く噛んで食べる、飲み物でカロリーは
摂らないと言う事も大事ですね。この二つはDITを上げるだけではなく、
消化、吸収を助ける、満腹感を得やすい、血糖値の上昇を抑える働きも
あるからです。
まとめ(DITを適度に上げる賢い食べ方)
・小腹が空いたら蛋白質のおやつを食べる。(小魚、チーズ、ナッツなど)
・食べ物は良く噛んで食べる。
・飲み物はカロリーの無い水かお茶で。
・朝ご飯はなるべく食べる(朝が一番代謝が上がる時なので)
でも一番大事なのは自分の感覚を重視する事ですよ・・!
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