妊活中の女性必見!妊娠前にやっておきたい7つのこと

妊活中の女性必見!妊娠前にやっておきたい7つのこと
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妊娠するとうれしい反面、食事や薬、禁酒、体調管理など、お腹の赤ちゃんのためにいろいろな事に気をつけなければ、と思うでしょう。

でも、妊娠前からやっておいた方がいいことも結構あるのをご存知でしたか?今回は、妊娠する予定のある女性にぜひ知っておいてほしい「妊娠してから後悔しないために、女性がやっておいた方がいいこと」を7つに分けてお話しようと思います。

妊娠中の一番の不安は赤ちゃんへの影響

何といっても妊婦さんが気になるのは、放射線や薬、食べ物に含まれる添加物などが赤ちゃんに与える影響です。悩み相談を見ていても「〇〇をしてしまったんだけど赤ちゃんに影響はありませんか?」という不安は多いです。

妊娠するつもりはなかったけどできちゃった方、は特に不安になりますよね。しかし、胸のx線ぐらいなら、赤ちゃんへの影響はほとんどないと言われています。

薬も注意はした方がいいのですが、抗がん剤などの1部の薬以外は、それほど心配いらないと言われています。参考)妊婦の薬物服用

また、食に気を配る女性は「カップラーメンやコンビニ食をたくさん食べてしまった!」と、添加物を気にしますが、実際は添加物が直接胎児に影響を及ぼす割合は多くはないです。

妊娠前にやっておきたいこと7つ

実は薬やX線より、もっと妊娠前に気にしてほしいことがあります。これから提案する7つの内容は「健康な赤ちゃんを生み、出産後のママも元気でいられるため」のものです。

万が一知らずに妊娠していた!と気づいても、早めに対処すれば大丈夫な場合の方が多いので、悩み過ぎず主治医の先生に相談してほしいと思います。

また、これも大切なことですが「赤ちゃんは授かりもの」です。そのタイミングで生まれるのは何かの意味があるのです。できる限りのことをしたら、あとは大きく構えましょう。

1.糖尿病の検査をする-糖尿病と知らずに妊娠すると奇形の確率が上がる

妊娠する前に必ずやってほしいのが糖尿病の検査です。血液検査で簡単に分かります。

「妊娠糖尿病」という言葉は聞いたことがあるでしょう。妊娠するとインスリン抵抗性(インスリンが効きづらくなる状態)が強くなるため血糖値が上がりやすくなり、約1割の妊婦さんが妊娠糖尿病になると言われています。

妊娠糖尿病であれば、分娩後はほぼ正常に戻ります。(妊娠糖尿病になった方は、将来、糖尿病になるリスクが高いので注意が必要です) そして食事や運動療法、インスリンで血糖コントロールすれば、赤ちゃんに影響が及ぶことは少ないです。

「妊娠糖尿病」とは別に「糖尿病合併妊娠」と「妊娠中の明らかな糖尿病」があります。

こちらの方が奇形のリスクが高くなります。妊娠初期に胎児が高血糖に晒されるからです。

「糖尿病合併妊娠」は、妊娠前から糖尿病と診断されています。この場合は主治医と相談し血糖コントロール後に計画妊娠をすれば、奇形率は糖尿病でない妊婦さんとさほど変わりません。

奇形のリスクが最も多いのが、妊娠前から糖尿病だったのに、見過ごされていた場合、つまり「妊娠中に発覚した明らかな糖尿病」です。

日本糖尿病・妊娠学会によれば、糖尿病合併妊娠の奇形率は2.1%ですが、妊娠中に発覚した明らかな糖尿病の場合は9.0%と高率になるそうです。

若くても痩せていても、遺伝的な要因で糖尿病になる事はあります。高齢妊娠や肥満の方も糖尿病になるリスクは高いので、妊娠前に糖尿病のチェックはぜひやっておきましょう!

また、普段から「野菜やたんぱく質のおかずから食べる」「甘い飲み物を飲まない」「お菓子のドカ食いはしない」など食べ物に気をつけるだけでも高血糖になるのを避けられます。

2.レア肉や外国産チーズは食べない-胎児に影響を及ぼす食中毒菌がいる

次に気をつけてほしいのが、トキソプラズマとリステリア菌による食中毒です。これらは胎児にも移行し発達に影響が出る場合があります。

トキソプラズマは生焼けのお肉で、リステリア菌は無殺菌の生乳で作られたナチュラルチーズなどで、感染します。やっかいなのは、感染しても潜伏期間が長く、無症状や風邪に似た症状であるため気付きにくいことです。

トキソプラズマは、妊娠中に初感染すると胎児にも感染を起こします。妊娠前に抗体検査をやって「陽性」ならば安心な妊娠ライフを送れますし、「陰性」であれば注意をすることができます。妊活中にぜひ抗体検査をやっておきましょう。

胎盤を通して感染する事を「垂直感染」といいますが、トキソプラズマ以外でも胎児に重要な障害を残すものがあります。これらをTORCH症候群※と呼んでいます。

※Toxoplasmosis(トキソプラズマ)・Other agents(梅毒やB型肝炎などその他病原体)・Rubella(風疹)・Cytomegalovirus(サイトメガロウイルス)・Herpes simplex(単純ヘルペス)

サイトメガロウイルスは、どこにでもいるウイルスで、幼児の唾液などから感染します。上のお子さんから知らない間に貰う妊婦さんもいるので、予防に努めましょう。

詳しくはトーチの会をご覧ください。下記の記事も参考にしてください。

妊娠中の食中毒に注意!胎児を守る食事について徹底解説

3.禁酒と禁煙-早期にお酒やタバコをやめれば影響は最小限に

妊娠中に喫煙をすると、胎児毒性や血管収縮作用により胎児の成長に悪影響を及ぼし早産の原因にもなると言われています。妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群(脳障害や精神障害など)」を引き起こします。

妊娠しているのを知らず、ワインを1杯飲んでしまった・・ぐらいでは問題ないと言われていますが、実際にはどのぐらいのアルコール量なら平気か、は明確にされていません。

ただ、日常的に飲酒していた人でも、早期に断酒すれば赤ちゃんへの影響は少ないことが分かっています。妊活中の人はアルコールと喫煙は止めておきましょう。妊婦の飲酒に関してはこちらもお読みください。

妊婦はアルコール厳禁!赤ちゃんへ影響がある時期や量についても解説

4.葉酸サプリの摂取-神経管閉鎖障害を予防できる

葉酸はほうれん草などの緑の野菜に多く含まれています。しかし、葉酸は水溶性なので調理で流れてしまい摂取しづらい栄養素でもあります。

妊娠初期に葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」を引き起こすリスクが高くなります。神経管は脳と脊髄のもととなるもので、受精してから4週間程度で完成します。その時に葉酸が不足していると無脳症や二分脊椎になる確率が上がるのです。

二分脊椎とは、神経が脊椎の外に飛び出して癒着し、その部位から下の神経障害(排泄や歩行ができない)を起こす病気です。軽い状態から重いものまであります。

妊娠が分かってからでは、すでに神経管は完成しているため、厚生労働省は妊娠1か月前から食事からの葉酸に加え、葉酸のサプリメントを1日400㎍とる事を勧めています。

葉酸はビタミンB12とセットで作用します。さらに葉酸を含むビタミンB群は相互に助け合いって働くので他のB群(1、2、6、ナイアシン、パントテン酸)も合わせて摂取するのがお勧めです。

5.ぽっちゃり女性を目指す!-低出生体重児が増えている背景とは

妊活中の女性や妊娠する可能性のある女性は、ダイエットはせず「ぽっちゃり女性」を目指してほしいと思います。(BMI25以上の肥満の場合はダイエットはした方がいいです。)

H30の国民栄養・栄養調査によると、BMI18.5未満の「やせ」の女性の割合は先進国のなかでも高く20代で19.8%になります。※BMI=体重÷身長(m)÷身長(m)

日本で生まれる低出生体重児(2500g未満の新生児)の割合は全出生児の1割と高率です。栄養状態がよいはずの先進国のなかでは、もっとも高い割合になっています。

低出生体重児の原因は、胎盤因子(胎盤機能の不全、妊娠高血圧症候群など)や妊娠中の喫煙、飲酒がありますが、妊娠前の「やせ」や、妊娠中の体重増加の少なさにも起因することが分かっています。

赤ちゃんは、心肺機能などが整う3000g前後で生まれてくるのが理想です。昔は「小さく生んで大きく育てる」と言われましたが、いまは違います。

近年注目されているDOHaD学説では、小さく生まれた赤ちゃんは、将来 心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病になりやすい事が分かってきています。

ダイエット志向の強い日本では、痩せた女性に憧れるのも分かりますが、将来のお子さんのためにも、「痩せすぎ注意」です。

6.事前に栄養療法を受ける-栄養を満たし母子ともに健康に

妊娠年齢の女性で痩せすぎていたり、炭水化物に偏ったお食事をしている方は潜在的に栄養が不足している方が多いです。

女性で多いのが潜在的な鉄不足です。厚生労働省によると

妊娠期に必要な鉄は、基本的鉄損失に加え、①胎児の成長に伴う鉄貯蔵、②臍帯・胎盤中への鉄 貯蔵、③循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加による鉄需要の増加、があり、それぞれ、妊娠の 初期、中期、後期によって異なる 

と、なっています。妊娠前に潜在的な鉄不足があると、妊娠中に増える鉄の需要に追いつきません。出産時の出血でも授乳でも鉄が奪われるので、更に鉄が不足します。鉄不足は産後うつの原因にもなります。

他にもカルシウムやビタミンDの不足があると、出産後に骨粗鬆症になるリスクが上がります。出産した後の長い育児のためにも、妊娠前から栄養状態を改善しておくことをお勧めします。

7.水銀の摂取に注意-大型魚を避けつつ魚も積極的に

ママの摂取した水銀量が多いと、胎盤を通して胎児にも影響が及びます。特にメチル水銀、鉛、アルコール、ニコチンなどの化学物質は中枢神経への親和性が高く、胎児の脳にも移行しやすいのです。

このことから、厚生労働省では水銀含有量が多い魚の摂取上限を決めています。水銀は食物連鎖により小魚より大きな魚に蓄積するので、マグロやクロムツ、キンメダイなどは控えめにしておきましょう。

ただし、魚にはオメガ3系の油であるEPAや脳の機能を助けるDHAが豊富に含まれています。サンマやサバ、イワシなどは制限なく食べられますので、積極的に食べるようにしましょう!

身体のメンテナンスをしながら赤ちゃんを待とう!

愛する人との間に赤ちゃんが出来たら幸せな気持ちになりますよね。現在は出産後も働く女性は多く妊娠年齢も上がっています。仕事も身体のメンテナンスもしっかり行いながら、赤ちゃんを楽しみに待ちましょう!