第195回 オルトレキシアになりやすい人と対処法
- 2016.07.15
- マインド(思考法)
について書きました。今日はその続きです。
偏食で心身の不調を来していなければ問題なし。
最初に言っておきたいのは、健康に興味を持ち、しっかりと
知識を得て行動するのは悪い事ではない、ということ。
健康志向が強い人の事を
「食べる喜びが少なく、周囲ともギクシャクする」
と問題視する人がいますが
誘惑が多い現代の食生活で
食べる喜びや、周囲と調和を取る事に重点を置きすぎると
自分の健康は守れませんよね。
だから、心身の不調を来していなければ、自信を持って
今のライフスタイルを貫けばいいと思います。
オルトレキシアになりやすい人
でも、中には行き過ぎて体調を崩してしまう人がいます。
どのような人が、そうなりやすいのでしょうか。
■不安を感じやすい人
健康に気を使い過ぎる人は
元々身体が弱くちょっとした事で体調を崩す人や
親が病気で苦しんでいる姿を見て、トラウマに
なっているなど
何らかの原因がある事が多いようです。
また特に原因はないけれど「先読み思考」と言われる
考え方のクセがある人もいます。例えば
○証拠がないのに、この先悪い事が起こると予測する。
○悪い事が起こると次もまた同じ事が起こると思う。
上記のような人は、リスク管理的な発想が強く働くので
「○○は食べたら危険!」などのネガティブ情報に
過敏に反応しやすいのです。
■完璧主義の人
白黒はっきりさせないと気が済まない
物事は最後までやり遂げないといけない
と、思う人は、中途半端を嫌い完全な物を
求める傾向があります。
例えば、抗生物質不使用、餌にこだわった食肉
自然農法で作られた野菜。無添加食品など。
食材に対する知識を得て選ぶ目を養うのは大事ですが
私も含め多くの人は、本やネットや販売業者の宣伝から
情報を仕入れているだけで
実際に自分で生産から流通するところまで24時間
監視しているわけではありません。
従って、厳密に言うと完璧な物を選ぶ事は出来ません。
何処かで妥協しないとやっていけなくなってしまいます。
また完璧主義の人は
感銘を受けた食事法を完璧にやり遂げようとします。
でも他人が健康になった食事法で必ず自分が健康になれるかと
言えばそうでもありません。
免疫の鍵を握る腸内細菌叢は1000種類以上もあると言われており、
現在も新しい菌がどんどん見つかっています。
そして腸内細菌叢は母と子では似通っているケースが多いけれども、
食べる物や体調など個々の違いにより基本的には誰1人として
全く同じ細菌叢の人はいないと言われています。
だから同じ食事法でも自分に合わない場合も当然あるはずです。
行き過ぎて不健康にならないための対策
では不安症の人や完璧主義の人が、行き過ぎて
不健康になるのを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。
■転ばぬ先の杖ではなく今を快適に過ごすことを考える。
芸能人の病気の告白を聞くだけで自分も大丈夫か、と
不安になる人は多いと思います。何かをきっかけに
健康に気を配るようになれば、それは良いことです。
しかし、どんなに健康に気を配っても病気になる時は
なるし、突然事故で死ぬこともあります。
将来のために保険を掛けるのも大事ですが、
今を快適に過ごすことに重点を置いた方が
いいのではないでしょうか。
■完璧よりも、続く事や楽に出来る事を優先させる。
自分に厳しい人は、楽をしてはいけないと思っています。
今までの自分を変えるには困難な事に立ち向かわなくては
いけない、少し辛くても頑張ろうと思う人が多いのでは
ないでしょうか。
でも、健康法に関しては頑張る方が逆効果に働く事の方が
多いと思います。例えば
頑張ろうと気合いを入れる時はアドレナリンが分泌されます。
負荷に対応するべくコルチゾールも分泌されます。
糖質制限が何年か前から流行し認知されてきましたが
2型糖尿病はストレスでも発症する事が分かっています。
アドレナリンやコルチゾールは血糖値を上昇させるからです。
他にも脳腸相関と言って、脳が感じたストレスは腸内細菌にも
影響を及ぼし免疫力が下がってしまう原因にもなります。
だから免疫力アップの秘訣は食を完璧にする事ではなく
一番楽に出来る方法、ストレスが少ない方法で続ける
ことなのです。
例えば、自宅には、健康に良い物を置いておき
外食の時は、楽しみを優先するなどルールを
決めておけばいいのではないでしょうか。
■自分の心を味方にする。
糖質制限、女性でもやる人が増えています。
でも女性は糖質が好きな人が多く、制限によるストレスは
相当なものだと思います。
そのような時は代わりに使って欲しい言葉があります。
自分に「食べたいと思ったらいつでも食べるから安心して!」
と言い聞かせるのです。
そうすると、自分の心は安心します。嘘のような本当の話です。
安心させることって意外に重要で、その方が糖質に関する
欲求は少なくなります
また実際に糖質を食べても、すぐ太る事もありませんし
食べ方に気を付ければ糖質と長く付き合っていくことは
出来ます。
食べてしまうと、なし崩し的に食べてしまう恐怖心
は、あると思いますが、万が一、体が欲していないのに
食べ続けるというのは、よほどストイックに制限を
していた証拠でもあります。
そういう時こそ、制限のかけすぎを見直した方が
いいですね。
■自分の身体を味方につける。
そして最後に、もう一つ大事なのは
制限しなくても「食べなくていいや」
と思える状態にすることです。
栄養学を学び、睡眠や運動も適度に行うなど
自分の体調を整えることに意識を向ければ
誰でもそういう状態になる事が出来ます。
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