ちむどんどん 暢子の生き方に憧れる

ちむどんどん 暢子の生き方に憧れる
Pocket

NHK朝の連続ドラマで放送中のちむどんどんを欠かさず見ています。放送は9月30日で終わってしまいますが、どんな最終回になるのか楽しみです。

ちむどんどんは、都合よく話が進みすぎる、似たような展開が多すぎる、ストーリーが少し粗い・・などツッコミどころが満載です。

ただ、それらのことを差し引いても、私にとっては大好きなドラマです。

その理由は、主人公の生き方に共感できる、純粋な家族愛が感じられる、駄目人間に見えても必ずいいところがある、人生やり直せる・・などいろんな面で生きる希望を感じられるからです。

自分の「好き」を大切にする暢子の生き方

ドラマの中の主人公の暢子は、好きなこと、つまり「ちむどんどん」する気持ちに忠実に従い行動していきます。料理人になる夢を実現させ、和彦との恋も成就させ自分のお店も持って繁盛させます。

和彦は当時愛ちゃんという婚約者もいたので、略奪愛だ!・・と思う人は多かったかもしれません。私が同じことをされたらきっと傷つく。でも、好きな人がいるのに、婚約者を傷つけまいと結婚する方が不誠実かも、と私は思いました。

実社会では自分の好き、を貫くと周囲の批判を浴びることがあります。関係者の心を傷つけることもあるかもしれません。でも、周りに非難されることを恐れ自分の正直な気持ちを封印したり、代用品で満足させる生き方を続けると、自分の本当に好きなものが分からなくなっていくのではないか。年齢を重ねるにつれ、私はそう考えるようになりました。

暢子は自己中心的に見えるかもしれませんが、その代わり悪意がなく他人に意地悪もしません。悪かったと思ったら素直に謝り、お礼もいう。私はかなり好感を持てた主人公でした。

お金より大切なもの・・それは家族や仲間

ネズミ講で騙された兄を救うため、暢子は長年働いて貯金した開店資金を、ネズミ講会社に渡します。普通だったら「いい加減にしろ!あんたとは縁を切る!」と、見放しても許される場面です。更に姉夫妻は開店資金を失った暢子に、海外旅行用に貯めていたお金を渡します。「私でも、暢子と同じことをした(お金を渡した)と思う。ニーニを助けてくれてありがとう」と。

「これはドラマだからね」「現実ではありえない」と言う声が聞こえてきそうです。私も暢子のような行動はできないかも。でも、自分の価値観や本当に大切なことが分かっている人は、出来るんでしょうね。

また、ニーニがねずみ講で暢子に助けてもらった後に、智と和彦の前で土下座して「俺は本当に大馬鹿もの。暢子に幸せになってほしかった。母ちゃんに楽させてやりたかった。ただそれだけだのに。」と言った場面にはとても感動しました。浅はかな行動で周囲に迷惑をかけてきたニーニですが、本当は家族への愛が溢れている、それが伝わったからかもしれません。

同話の回想シーンで、ニーニがこどものころにお金を盗んだ時に、父が「お前は悪くない。悪いことしたけどお前は悪い人間じゃない」と抱きしめたのも印象的でした。罪を憎んで人を憎まず・・といったところでしょうか。このお父さんは子育ての鏡ですね。

その他にも家族の愛、隣人愛が感じられる場面はたくさんあり、その都度、感動しながら見ていました。

ダメ人間に見えても必ずいいところがある

周りに迷惑をかけまくるどうしようもない暢子の兄の賢秀(ニーニ)。でも私はニーニが嫌いになれませんでした。あさイチにゲスト出演されたニーニを演じる竜星涼さんが、格好良かったこともかなり影響していますが・・

沖縄の一番星になる!と格好を付ける賢秀ですが、楽して稼ごうとする姿勢が禍いし、次々に詐欺に合います。そんな賢秀でも、豚の世話は苦にならなかった。そして回り道をしながら、伴侶をみつけ更生しました。営業にも向いている賢秀は、本当に沖縄の一番星になれるかも?と思います。

どんなにダメに見える人間にも、必ず適正があり本人も周りもハッピーになる仕事や役割がきっとある。実社会では、こんなにうまくいく人は少ないかもしれませんが、私は希望が持てるいい話だな~と感じました。

人生はやり直せる

最後に矢作さん。長年働いていたフォンターナのオーナーや従業員を裏切り、信用は地に落ちました。しかし、料理人として働きたい気持ちは諦めきれず。暢子の店に雇われ自身のダメなところも真摯に見つめて更生しました。「恩を仇で返さない」「乗りかかった舟(暢子の店)を立て直せなければ、自分の舟は持てない」と智に語った場面は何度も見てしまいました。

暢子が「矢作さんは、お金を盗むような人ではない」と言い切ったところも、良かったです。素敵なシーンでした。

***

あさイチに出演した黒島結菜さんは、「演じているうちに、主人公の性格に引っ張られた(人見知りがなくなり性格が明るくなった)」とおっしゃっていました。そういう意味で、この役ができて良かったですね。今後も心から応援しています。

ちむどんどんが大好きすぎて、語ってしまいました。最後まで読んでいただいた方に感謝です。