新型コロナウイルス第二波に備えて個人が行うべき7つのこと
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除され、1月後半から流行した感染は一旦収束したようです。これは日本政府の対策が良かったからではなく「ラッキー」だったから、と思っています。
コロナウイルスによる日本人の死亡者が少ないのはBCG接種や体質も影響しているとの噂もありますが、高齢者を守る介護施設の方々や医療現場の人たちの努力も大きいです。
今日は、必ず来ると言われている第二波に備えて、個人ができる「新型コロナになっても軽症で済ませる身体づくり」について効果がありそうなものを紹介します。
なお、感染が広がらないようにするための方法については、こちらも是非ご覧ください。
重症にならない体づくりは医療を守る
新型コロナウイルスの感染拡大は収束しましたが、流行の第二波はいずれ来る、と誰もが思っているでしょう。
再流行に備えて社会的距離と衛生行動で感染を防ぐことはもちろんですが、ほかに重要なのが「万が一感染しても重症にならないこと」です。
軽症だったら長期間病院に入院せずに済み医療従事者の負担を減らせます。そして、医療資源を重症になりやすい高齢者や基礎疾患を持つ患者さんに回すことが出来ます。
怪しい情報には注意だができることは全部やろう
新型コロナウイルスの情報は現在不確実なものが多いため、公的機関が出す情報だけを信じるべき、と考える方もいます。でも私は違うと思います。いまは公に認められなくても、将来は世の中のスタンダードになっている可能性もあるからです。
どんな研究でも、それに対する反論は必ず出てきますし、決着がつくまでは何年もかかるでしょう。その前に死んじゃったら仕方ないです。
いまのところ新型コロナに感染しても軽く済ませる確実な方法はありません。でも、自分で勉強して情報を取捨選択しながら、安全にできることは全部やるといいと思います。
新型コロナウイルス第2波に備えてやっておくべき体づくり7個
ここからは、私が第二波に備えてやった方がいいと思うことを7個紹介いたします。
1.タンパク質豊富な定食形式の食事をしよう
タンパク質は体を作る上で基礎となるものです。お年寄りや、ダイエット願望の強い痩せすぎの人は栄養状態が悪いので、感染症にかかりやすく治りづらいです。毎食お肉、お魚、卵、大豆製品のいずれかを食べるようにしましょう!
2.消化不十分ではいくら食べても意味はなし消化力アップを
中年以降は萎縮性胃炎になる方が多く、その場合胃酸分泌が少なめになっています。胃酸は食物の殺菌作用だけでなくタンパク質をアミノ酸に分解する重要な働きがあります。
胃酸分泌抑制剤(PPI)を服用中の人や、萎縮性胃炎のある方は、胃酸の恩恵を受けられないので、通常よりコロナや食中毒にかかりやすくなります。栄養素の吸収力も衰えます。
対策をしては、よく噛む、食事中にガバガバ水は飲まない、お酢やレモンを使い胃液の分泌を促すお食事を心がけましょう。また、よく噛める=お口の健康(歯科)も大切です!
3.春夏は日光を浴びてウオーキング・秋冬は魚を多く食べる
皮膚からのビタミンD生成を促すために、春から夏にかけては1日30分を目安に日光浴&ウオーキングをしましょう。真夏の東京で700~800IU(17.5~20µg)のビタミンDが生成されます。
腕や手や首まで美白クリームをバッチリ塗る行為や、ガラス越しの日光浴では皮膚からのビタミンD生成は見込めません。直に肌に日光を当てることが大切です。
秋から冬も運動は必要ですが、紫外線の恩恵を受けられなくなるので、ビタミンDを意識した食事をとり、場合によってはビタミンDサプリメントも検討してもいいかもしれません。
ビタミンD、食事では、かなりとりづらいです。卵、椎茸、きくらげ類、お魚にしか入っていません。ビタミンDが多いお食事は以前書いたこちらも参考にしてください。
ちなみにビタミンDには、主にD2とD3があり魚などの動物性にはD3、きのこなどの植物性にはD2が含まれています。D2よりD3の方が作用が強いと言われているので、お魚を積極的に食べることをお勧めします。
お肉に含まれるビタミンDは「ゼロ」なので、肉だけでなく魚を1日一回食べるのが理想です。
ビタミンDと免疫の関係は?
ビタミンDは骨形成に関わる脂肪性のビタミンです。また、インスリンなどのホルモン分泌の調節、T細胞B細胞などの免疫調整、炎症を抑える働きにも一役買っています。
※参考文献・サイト
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/
https://www.vitamin-society.jp/
国立がん研究センターの最新のコホート研究では、ビタミンDの血中濃度を一定以上に保つと癌に罹患する率が下がることも示されています。
血中濃度を保つにはどれだけビタミンDを取ればいいの?と思いますよね。実は日本では、血中濃度とビタミンD摂取量の関係を評価した報告がほとんどない(厚生労働省)そうです。だから目安がはっきりとは示せないのです。
日本人のビタミンDの血中濃度は低い
日本内分泌学会・日本骨代謝学会により発表された「ビタミンDの不足や・欠乏の指針」では、血中濃度が
20 ng/mL以上~30 ng/mL未満はビタミンD欠乏
30 ng/mL以上 でビタミンD充足
と定義しています。ところがその基準に照らすと、欠乏不足者の割合は、男性:72.5%、女性:88.0%にも達 することが分かったのだそうです。
しかし、厚生労働省は、「30 ng/mL以上の血中濃度を目標に食事を決めるのは無理がある」「50代の女性で骨折の多さを比較すると20 ng/mL未満と20 ng/mL以上では有意な差が見られた」という研究結果の方を採用して
「血中濃度が20 ng/mL以上」基準でビタミンDの摂取目安を決めています。つまり、学会の推奨よりかなり少なく見積もった上での摂取目安になっています。
日本人のビタミンD摂取量は少ない
少なめに見積もった摂取基準ですが、日本人のビタミンD摂取量はこれ(8.5µg/日)を下回っています。
海外ではビタミンDの血中濃度を一定以上保つと、インフルエンザの罹患率が下がった報告があります。この時のビタミンD摂取量は約1200IU(30µg)。
新型コロナウイルス予防に関しても、すでに海外で研究がされはじめビタミンD欠乏があると炎症反応(CRP)が高かったとする結果も出ています。(下記リンクは溝口先生のブログを参照)
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.08.20058578v3
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.08.20058578v4
もちろん、これらの結果だけで「ビタミンDが確実に新型コロナウイルスの感染や重症化を予防する」とは言えませんし、今後は「効果がなかった」とする結果も出てくるかもしれません。
また、免疫力で感染症を抑えるにはどれぐらいの量を取ればいいのかも、分かりません。日本では摂取上限を4000IU(100µg/日)としています。サプリを取るなら血中濃度を測定し評価しながら続ける方が安全です。
サプリメントというと「怪しい」「トンデモ!」と批判をする人が一定の割合でいますので、ここでは勧めません。まずは日光浴+ビタミンD豊富なお食事から心がけるといいと思います。
4.亜鉛が豊富な食材を食べる
亜鉛は全身の細胞に存在しウイルスや細菌から防御する働きがあります。
✓アメリカでは風邪の患者に亜鉛トローチを2~3時間おきに与えたところ自覚症状と炎症マーカーによる早期治癒が認められた、
✓フランスの介護施設で高齢者に2年間亜鉛とセレンを摂取させたところ、感染症に罹患する率が減った
・・との結果もあります。参考)https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail36.html
糖尿病や慢性の代謝性疾患の患者でヘモグロビンA1C、空腹時血糖が低下したとの研究結果もあります(2020年厚生労働省食事摂取基準より)
糖尿病は新型コロナが重症化するリスクです。したがって、治療と並行して亜鉛の意識的な摂取も心掛けると良いと思います。
5.ビタミンACEも忘れずに
ビタミンACEは抗酸化ビタミンと呼ばれています。ビタミンAは皮膚や粘膜の状態を良好に保つ働きがあり感染防御には欠かせません。ビタミンEは抗酸化作用が強く、細胞のコラーゲンの合成に必要なビタミンCとの相互作用で抗酸化力をアップさせることが分かっています。
6.禁煙は絶対!
肺の状態がよくないと、新型コロナウイルスは重症になりやすい事はご存知ですよね。あとで後悔しないためにも禁煙は絶対したほうがいいです。
アイコスなどの加熱式タバコでも好酸球肺炎になりやすいと報告が出ているので、できれば両方やめるに越したことはないです。まだ上陸していない電子タバコは「肺傷害」を起こす危険があるそうです。これは絶対阻止ですね。
7.夜更かしせず睡眠をしっかりとる
睡眠は長すぎても短すぎても死亡年齢が早まることが先にも紹介した国立がん研究センターのコホート研究で分かっています。寝すぎも短時間睡眠も身体によくないので、7時間程度の睡眠を目安にしっかりとるようにしましょう。
余裕のあるうちに体調を整える習慣作りをしよう!
新型コロナの第二波に備えて自分でできる対策についてまとめました。いままでやろうとしても進まなかった働き方改革は、コロナの流行を機にせざる終えない状況になりました。でもこれは今までのストレスフルな働き方から解放されるチャンスです。頑張りましょう!
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