第136回 我慢から食べたいと思わない状態へ-2 運動で食欲が抑制される。
睡眠の常識を疑おう!
最初に、睡眠の補足から・・
前回は良い睡眠は正常な食欲を導くというお話でした。
良い睡眠の判断材料は、寝付きの良さ、睡眠時間、中途覚醒がないことetc・・
と思われがちですが、実はそうではありません。
本人の体調が良く、日常生活が出来ていれば、良い睡眠は取れています。
私は、以前に「ほどほどの健康」というタイトルでメルマガを出していました。
睡眠について書こうと文献を調べていたところ衝撃的な事実を発見しました。
それは、 哺乳動物の本来の睡眠は1日に何度も眠る多相性である。
ヒトの睡眠は文化の発達により夜に長く眠る単相性に加工された。
・・ということです。
私達は夜に長く眠って昼間に起きているのが健康な証拠と思わされています。
しかしそれは、ヒトが文化的な生活を送るために無理やり合わせた結果であり
職業や国によっても異なります。つまり多様で当たり前ということなのです。
○寝付きが悪いのは、眠くないのに寝ようとしているから、かもしれません。
○短時間睡眠でも昼間に元気に活動出来るのなら問題ありません。
○中途覚醒も、たまたま起きた時間が夜中だっただけで早朝に目覚めれば 早起きになります。
つまり考え方次第では問題にもならない場合もあるので大らかに構えましょう。
そうは言ってもほとんどの方は昼間に活動するので、夜中に熟睡 出来ないのは辛いですよね。
頭脳労働者は運動で気分を変える。
ここから運動の話になります。
夜に眠れるようにするには、昼間どのように過ごすかが大切です。
特に頭脳労働の方は、運動不足になりやすい上、 脳の思考を司る部分を使い過ぎ、
バランスが悪くなっている可能性があるのだそうです。
そのような傾向が強くなると、ささいな事が気になり
好ましくない考えに支配されやすくなります。
それが長く続くと、抑圧感が強くなり眠りにも支障が出る場合があります。
そこで・・・・!単純作業を行ったり身体を動かすようにすると、
脳の別の部分を使う 事になり、バランスが取れます。
それだけで気分が変わることも多いのです。
PC作業中、気分転換にお菓子を食べる習慣のある人は 代わりに社内の階段を往復してくるとか、
出来る範囲で体を動かすようにしてみましょう!
長めの運動は夕方に行う。
早朝にランニングをする人がいますが、その時間帯は血管が収縮し
血圧が急上昇する時間帯です。身体のコンディションも整っていません。
心筋梗塞や脳梗塞などの発作は朝に起きやすいと言われています。
そのような理由から、朝起きてすぐの運動はあまりお勧めできません。
(すでに、習慣になっていて、身体が出来あがっている人は別ですが)
一般的に1日の内で運動のパフォーマンスが 上がりやすい時間帯
は夕方の6時前後と言われています。
その時間に運動をして体温を上げておくと、もう一ついいことがあります。
就寝時間に向けて体温が徐々に下がり、眠りに付きやすくなるのです。
(寝る前の運動は逆効果です。寝る直前のお風呂も入眠を妨げます)
運動自体にも食欲抑制効果がある。
「運動をすると食欲が亢進するため、ダイエットにならないのでは」
と思う方も多いようです。
しかし、数多くの研究で運動中や運動直後は食欲が低下することが 分かっています。
例えば、強めの運動をすると、血糖値が上がるため食欲が抑制されます。
食欲増進ホルモン、グレリンの分泌も減るため食欲は低下します。
逆に軽い有酸素運動では血糖値が下がり、運動後の空腹感が増します。
しかし、その後の食事を調査したところ必ずしも食べ過ぎる結果には ならなかったそうです。
また長いスパンで見てみると運動を習慣化することで、 食後の満足度が改善するため、
食べ過ぎが少なくなる結果も出ています。
もちろん、食欲は心理的な側面が多いので、運動だけで 全て改善されるとは限りません。
でも運動は、空腹感を増すだけでダイエットにはならない、という 認識は変えたほうがいいですね。
また本当にお腹が空いたら食べればいいですが
「これだけ運動したんだから食べてもいいでしょ」
と考えるのは 頭で考えて食べる事になるので、やはり止めた方が良いと思います。
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